中国福建省の土楼建築
中国福建省の土楼建築
先週末4日間、厦門から車で西に約3時間奥地、華安・南靖・永定地区の「客家土楼」を視察して来ました。
土楼とは、華北の黄河域に住んでいた漢族の子孫が、戦乱を避けてこの地の華南へ移住し、血縁関係一族が団結し暮らしている、外界に対して防御的な生土壁で取り巻く集住空間で、46棟が2008年世界遺産に登録されています。
形態は、環形と方形に大きく分けられ、中庭になる空間の使い方が、その規模と生活形態により様々なようです。
今回は、内部に入った土楼だけでも15棟以上、外部のみでは20を超える土楼を見てきましたが、家畜や子供からお年寄りまで暮らしている営みは、遠い記憶の底にあるとても大切な時間が流れているのを感じ入った瞬間でした。(y)






◆2010・4・1
東京スカイツリー&隅田川の桜
東京の桜はあちらこちらで見ごろを迎え、ここ隅田公園でも花見客で賑わっていました。
ご存じの通り、隅田公園は川の両岸沿いに位置しているので、散歩しながら花見ができます。
ここに新たに「東京スカイツリー」が現れ、新名所になる様相を見せ始めていました。
現在はまだ半分程の高さ(338m)で、完成は2012年春だそう。
網状のデザインだが、足元を見るとそれが二重構造になり、中央にシャフトが見える。
電波塔にとどまらず、下町を盛り上げるキューポラとなることでしょう。(y)



根津美術館
◆2009・10・31
根津美術館
しばらくの間増改築工事を行っていた青山の根津美術館が、この秋新装オープンしたと聞き見学してきました。設計は建築家の隈研吾氏。
土曜日ということもあり受付と話題の透明感のあるカフェまで行列状態。
配置・プランは目新しいとは思えないが、徐々に変化する景色が日本的であり、素材の対比構成とそのディティールシーンに見応えを感じる思いがした。
展示品は国宝初め日本からアジアにかけての古美術品が中心。
◆2009・9・21
初秋の奥入瀬渓流
奥入瀬渓流で散歩してきました。
田沢湖から注ぎこむ全長14キロの下流域1/3の行程をのんびりとテクテク歩いてきました。
清流、急流、滝を取り込んだ自然林に抱かれると五感が生き返るよう・・・。
これからさらに彩りが増し表情豊かになる季節、また行かねば!
陽気に誘われて先日「阿修羅展」を観ながら、“美術館探訪”をしてきました。
また、知名度が高いものは人気で、紛らわしいことにルーブル展がナショナルアートセンターと西洋美術館の二ヶ所で開催されていました。もちろんテーマなど内容は全く別物ですが。
<国立新美術館>
内部のハコとの間に湾曲したガラス膜をハコと間合いを取りながら沿うように這わせ、できた空間をオープンスペースとしてさまざまに開放し、従来の退屈した美術館とは方向性の違う気持の良い空間を、開館して2年を経ても常に人々に提供しているようでした。
ポール・ボキューズも相変わらずの人気で平日ながら長蛇の列状態。
<国立西洋美術館>
久しぶりに間近で見るとプロポーションと施工精度が良いことが分かります。構成の美しさとヒューマンなピロティーの高さ加減、そして細部はさすがに日本の技術力はすごいと思った次第です。また見過ごしがちですが、ロダンの彫刻たちが屋外各所に展示されています。
<国立博物館 平成館>
この建築は初めて見ましたが・・・ん・・・国立ですよね・・・。
「阿修羅展」が開催されおり観てきました。
興福寺に祀られた八部衆の鬼神でありながら、細い身体に可憐で憂えな表情に魅了され、中宮寺の弥勒菩薩とともに魅力を感じる仏像。と私なりの感想。 当たり前な表現ですが一見の価値あり。
岩手の水沢と遠野界隈に行ってきました
上段:円通正法寺。1348年開創。本堂は1811年に伊達家により再建。庫裡(右写真)は1807年に再建。共に国指定重要文化財。本堂の萱葺屋根は日本一の大きさを誇り、実際に見るとその格式の高さと荘厳な内部空間に圧倒されます。



中段:遠野市街地。丁度「遠野まつり」の真っ最中で、神輿渡御・鹿踊り(右写真)・神楽が街のあちらこちらで披露されていました。神輿は、威勢良く振る舞い餅を蒔いて練り歩き、可愛い子供神輿もありました。また、地区毎に伝統的に決まった山車があり街中が賑やかな行列をなしていました。



下段:南部曲り家「千葉家」と周辺集落。左写真は、飛騨の合掌造りなどと並び日本十大民家と言われる千葉家。小高い丘の中腹に石垣を築いて建っており現在も住居として使われています。数年前に訪れた時はなんでもなかったが、母屋の山側の萱葺が傷んでいるようで鉄板が被せてありました。蔵(中写真)は大きく軒も深いつくりになっています。右写真は、周辺集落に見られるマンサード屋根作業場。小規模な建物に深い軒が印象的で美しさも感じ入りました。



最上川がそそぐ「酒田」に行ってきました。
左:本間家旧本邸玄関回り。長屋門を入ると前庭に出る、玄関先の見事な赤松はなんと樹齢400年、屋敷は築230年以上。 左中:本間美術館本館の清遠閣。元々は平家の別荘に明治末に2階を増築したとの事。そういえば桂離宮や角屋もそうだったが何故か増改築され崩された感じが不思議に魅力的なのは何故か? 右中:山居倉庫の涼しげな現在の中庭。現在でも庄内米の倉庫として活躍しています。ケヤキの大木は倉庫を熱から守る為に植えられているが、現在では観光客も木陰で涼んでいる。 右:土門拳記念館東側庭園。裏山から連なる斜面を生かして創られた庭園。勅使河原宏氏作「流れ」




不思議な建築と空間を探検してきました
休日を利用し、ドライブをしながら、不思議で面白い建築の未体感空間を探検してきました。東北自動車道路から一気に首都高速・高速1号線を走りぬけ、横浜に向かいました。帰仙時には、途中大谷に立ち寄り、地下採掘場跡の神殿のような荘厳な空間を体感してきました。
左:アサヒスーパードライ/首都高速道路上から見上げた写真。巨大な黄金のオブジェが周囲を圧倒している。ビアレストランがある内部空間もそのスケールと形態には驚く。特にトイレスペースは面白い。設計は、フィリップ・スタルク。
中:横浜港大桟橋国際客船ターミナル/山下公園と赤レンガ館の間に位置している。写真は、開放感いっぱいの床がウネウネになった屋上デッキに対して、暗い多目的ロビーフロアで、折り紙を折ったような鉄板でできた洞窟空間になっている。またその鉄板は、巨大な船底スペースとも思わせる未体感空間。設計は、国際コンペを勝ち取ったfoa。
右:大谷資料館/有名な旧帝国ホテル(設計フランク・ロイド・ライト)にも使用した大谷石の採掘場跡を活用した現地資料館。写真はその廃坑になった内部空間の写真ですが、狭い階段を下りて行き、たどり着いた瞬間は声も出なくなるような感動を覚えました。石を採る目的で掘られできた洞窟空間ですが、構造的な意味で床面積の1/3程残した巨大な石柱との関係が、荘厳さも伝わってくる不思議な空間でした。現在は、コンサートや美術展、演劇にも利用されているとのことです。